職業訓練とは

一定期間、仕事を探している方が知識やスキルを習得し、就職をしてもらう公的制度です。
国や県が委託元となり、民間企業に委託をします。

主に仕事に就いていない方が「再就職」するために受けられるため、カルチャースクールとは少し異なります。
大体訓練は3か月程度ですが、実習をともなうものであれば6か月などあり(最大2年)、コースの内容も機械や設計、建設、OA、サービス業などの幅広い業務への就職のための訓練が開催されており、バラエティに富んでいます。

訓練校(民間企業)側は一定の収入が確保できるほか、社会貢献にもなります。

訓練生は無料で訓練が受けられスキルアップ資格も取得でき、さらに雇用保険受給者は給付を受けながら訓練に通えます。

そしてそんなスキルアップした人材を採用することによって、雇用する側は教育時間・費用をカットできます。

学校(民間企業)は収入アップと社会貢献、訓練生は無料でスキルアップ、そして雇用側の企業はスキルアップした人材を採用できるという、3者がみんな得する制度なのが職業訓練です。

 

職業訓練の認知度とその効果など

広報のしかたに問題があり…

「会社情報」内の「職業訓練に馳せる思い」のところでも書きましたが、わたくしは職業訓練に10年以上携わってきて、人生が変わるレベルのキャリアチェンジをした方もたくさん見ています。

離職している人が受講できる、という制限はあるものの、受講料自体は無料ですし、何より失業手当などの給付を受けながら受講ができます。

この素晴らしい制度がなぜ知られていないのか。
または適正に使われていないのが不思議で仕方ありません。

しかしこの答えは広報のしかたにありました。

受講希望の方は、口コミや紹介以外では、ほぼハローワークに行かなければこの制度を知ることはありません。

そしてそのハローワークでは正直、あまり積極的に訓練を告知しているということはありません。
求職担当ですら職業訓練の説明はほぼしませんし、システムを知らない方も多いです。

続いて、企業
人事・採用担当の方で職業訓練をご存じの方はかなり少ないです。

知る機会がないのである意味当然かと思いますし、仮に知っていても離職と結びついている制度のため、社内で話題になることはほとんどないでしょう。

しかし企業の人事採用にかかわる方が、もし職業訓練という制度をきちんと把握していれば…?
訓練修了生を雇うと得であることを少しでも知っていれば…?
訓練によってスキルアップしている人材が世に出ていることがわかれば、訓練生を積極的に採用しようと思う企業も増えるでしょう。

「職業訓練生を優先的に採用する」という企業もありますが、ほとんどないのが現状です。

「経験者」を採用する企業は数あれど、職業訓練修了生はやはりあくまで「訓練で学んだ」にすぎず、訓練修了生を経験者と同等レベルまで引き上げて選考していただける企業はほとんどありません。
これは、もちろん本人が持つ資質そのものが企業の希望する能力に達していない場合もありますが、訓練生が何を学び、どんなスキルを手に入れているのかをきちんと把握いただけていないということも一つの原因と考えられます。

訓練修了生が採用されることにより、訓練修了生は「訓練を受けて良かった」と思えるでしょうし、採用した企業も教育費と教育時間のカットができ、質の良い人材を採用しやすくなります。

みんなが得をする構図

一方、訓練校はどうなのでしょうか。

訓練校は、受講生が就職すると就職率によって報奨金が発生したり、社会的または公的機関からの信用度も上昇し、次の訓練開講へ良い形でつながります。

つまり企業の人事の方々に職業訓練をきちんと認知していただいて、訓練修了生を採用していただければ、学校側も得をするということになります。

すなわち訓練生・企業・訓練校の3すくみで「誰も損しない」「みんなが得をする」構図の出来上がりです。

 

職業訓練という制度をもっと知ってもらいたい

職業訓練についての講演

この職業訓練という制度をいろんな方々に知ってもらうために、活動を少しずつですがはじめております。

現在できることは企業の人事採用の方の前での職業訓練についての講演や、離職者に対して個別で職業訓練の案内や、集団での講演などになります。

本当はいち個人のわたくしがすることではなく、国や県などがすべきことかと思いますし、また効果は段違いでしょう。

しかしこれまで職業訓練にお世話になった手前、少しずつでも恩返しがしたいという思いでやらせていただいております。

公共団体や企業の方で「職業訓練について話をさせてもいい」「職業訓練の話を聞きたい」という方がいらっしゃいましたら、ご連絡をお待ちしております。